【腸活】腸内細菌は私たちの性格、行動、遺伝子情報までも変える力を持っている

腸活
by Nicholas Demetriades from Pixabay

先日は腸内細菌が私たちの気分や幸せを左右している、という記事を書きました。

参考記事→【心と腸の関係】幸せは腸次第⁉

今日は気分や幸せだけでなく、腸内細菌が私たちの性格や行動をも決めているかもしれないというお話をしたいと思います。

キーワードは「マイクロバイオーム」

私たちの個性、例えば基本的な性格や好み、容姿、病気のリスクや寿命などは両親から受け継いだDNA(遺伝子)によって生まれながらに決められていると考えられてきました。

ところが最近の研究で、私たちの体にいる無数の微生物集団(これを細菌叢(そう)、またはマイクロバイオームといいます)が人体に多大な影響を及ぼしていることが判明してきたのです。

人間一人の細胞の数はおよそ60~100兆個あると言われていますが、マイクロバイオームの数はなんと1000兆個。

しかも、遺伝子の数を比べると、人間の遺伝子の数は約2万2000程度なのに対し、マイクロバイオームの遺伝子の総数はなんと300万以上になるそうなんです。

つまり、一人の人間の中に棲みついているマイクロバイオームの遺伝子の量の方が、一人の人間を形成している細胞の遺伝子の量のおよそ140倍もあるという…

しかもこのマイクロバイオーム、指紋と同じように一人一人違うそうなんです。

そうすると、私たちが「自分は生まれつきこういう人間だ」と思っている個性は、両親から受け継いだ遺伝子だけで決まっているのか?もちろん、生まれて以降の経験や教育、環境の影響もあるでしょうが、マイクロバイオームが決めているんじゃないの?という考え方が出てきます。

マイクロバイオームに操られる宿主

ちなみに、マウスを使った実験で腸内細菌を入れ替えたら性格や体格ががらっと変わってしまった例、狂犬病などに見られるような寄生虫が宿主の性格と行動を自分に都合のいいようにコントロールする例なども多数あるわけで、腸内細菌が私たちの性格や行動を決めていると言われても否定できないですよね。

実際に、肥満の人と痩せている人では、腸内に棲んでいる細菌の種類が違っていることが近年の研究で分かってきたそうです。肥満の人の腸内には悪玉菌が多く、悪玉菌は不健康な腸内環境で繁殖し有害物質をばらまき免疫力を低下させます。好物は高脂肪食。太っている人が脂っこくて糖質が高い物を好んで食べるのは、悪玉菌に操作されているからかもしれないのです。

反対に痩せている人の腸内には善玉菌が多く、善玉菌の好物である食物繊維が豊富な食べ物を食べさせ、宿主の体を健全に保つことで腸内での主導権争いに勝とうとします。

生活習慣で遺伝子が書き換わる

さらにさらに、最近の研究で生活習慣には遺伝子を変えてしまう作用があることも分かってきました。これを「エピゲノム」というそうで、例えば先天的にはガンなどのリスク遺伝子を持っていなかったとしても、生活習慣が悪ければ、遺伝情報が書き換えられてしまうということなんです・・・こわっ!もちろん逆もあります。

まとめ

最近の研究により、私たちの体に住んでいる細菌叢(マイクロバイオーム)の数、遺伝子数は私たち自身の身体を作っている細胞数、遺伝子数より圧倒的に多いこと、それらは一人一人指紋のように違った個性を持っていること、宿主の行動や性格、(食の)好みに影響を与えていること、遺伝子情報さえも書き換える力を持っていることなどが分かってきました。

普段どんな生活習慣を送っているか、どんなものを口にしているかで私たちの腸内細菌叢、ひいては遺伝子までも変わってきてしまう。それによって私たちは性格や行動、病気の運命までも変えられているかもしれません。

やはり腸活、大事です。

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